雑記トト

be here now.

労働賛美ではないけれど

那覇5日目にして遂に仕事にありついた、港の倉庫内での仕分け作業、要は荷役でしょう?

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早朝にドミトリーを飛び出して港へ向かう、朝だろうが太陽は地面を照りつけあまりにも濃い青色の空と絵の具をぶちまけたような雲が速い風に乗って空を泳いでいるようだ。急ぐ、初日で遅刻していては相手がどうとかではなく自分の為にならないとか思う状態のアタクシ。

港の倉庫は開け放たれていて大量のコンテナとフォークリフト、くわえ煙草にヘルメットを被ったり被っていなかったりの赤黒い肌の男たちが既に縦横無尽に動き働いていた。自分のような日雇いの人間よりもとっくに早く働き出しているのだこの人たちはと目の前の光景にあっけにとられながら早速ヘルメットをもらい、軍手をしてさあ荷物を運びまくろうかと思ったら「こっちこっち」と手招きされ、あまり汗をかいていない、眼が眩しい三十男に呼ばれて「今日は助手です」ということらしい。男はトラックドライバーで自分の荷物を積み込んで那覇市内ではなく本島各地に配達するらしい、その殆どを冷房の効いた車で過ごすという初日の不安を吹き飛ばす最高の仕事にありついてしまった、勿論大量に汗かく場面もあったが初日はラッキーな仕事で結果最高の滑り出しだった‼︎

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ところがどっこい二日目に死が待っていた。

倉庫内での仕分け運搬作業を八時間ビッチリとして正直仕事内容を書く気もしないし、なんならもう記憶がない、残されたのは割れそうな腰骨と、妙な脳の覚醒とその逆の眠気だ。

だがなんといっても労働は時に心地よい充足感を与えてくれる。

なまった身体をシャキッとさせて、生きていて最も苦手なお昼をジャンプすることができて金ももらえる、きっとこの作業は誰かの役に立っているだろうという達成感まである。久しぶりの男社会のコミュニケーションや、ハードな労働にもあまり汗をかかなくなった男たちの余裕の表情や飛び交う指示や注意の声が懐かしくて、そして束の間の一服。これを正に15年前くらい10代の頃にはやっていた!そこの頃は不安と焦りが身体中に充満していたけど、社会からは何も縛られていない点で一致していることに気づいた時、労働がホームレス明けという理由だけでなく、更に楽しいものとなった。

今日の自分にとって激しすぎる労働では続かないが、自分にあった労働は一日のルーティーンの中に組み込んでも納得できるなと思った、自分だけにしか出来ないことで暮らせるになるまで続けてみよう。

昨日も、今日も休憩中に沖縄の人と沢山話しが出来て様々な生きる上でのスタンスを感じ取れた、もうちょっとリサーチしてそのうちまとめる。

 

ああ…ああ…ああ‼︎

 

もうイッています…

 

僕、もう、沖縄の地で、イッちゃってるんです…

 

「え?本当に占いできるの??後で休憩の時占って欲しい!ちゃんと払うから」

 

仕事中に、しかも現場監督的な立場のおじさんがそれ言うんだから沖縄の人の大らかさや、素直さ、実直さは推して知るべし。

 

Music : - Mungi jerry - In the summertime

Location : NAHA, OKINAWA

飢えは寝てやり過ごせない

半端な金を追わずに飢えた方がましだと思うマイブームにのって今日も明日をやり過ごしていくのはかくも困難なのかと思い知らされる沖縄。

金に比例した幸せなどないと分かっていながらも、金の生み出す幸福感の記憶未だ体のどこか片隅に同居させているわけだから、金はやはりあった方が良い。多く必要なわけではなく新しい刺激を求める為の金だ。ドミトリーの金もなくなって結局野宿からの、ドミトリー、そして野宿を三晩して今早々にたわ言を抜かし始めている自分のことが何よりも結局好きである。上には上がいるとわかっていても自分をアゲる方法はこれが一番なのである、貧に驕りを持つくらいで丁度いい、誇りはいらない。

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寝るのにも金がかかると久々に思い知らされると尚更それを意識してしまう。

そういえば沖縄の地が自然と人を幸福にはしてくれる訳ではない、旅人も移住者も、生まれ育った人もだ。当たり前だけどそんなことを思いながら落胆と妙な感動を覚えて、ならばこの土地に永遠と沈没して時間を使ってみようと思うも、But still do it.最後の蓋は開けない、この旅は目的を持っているのだ。

老子が伝えたかった無為自然を土地や人を俯瞰して見なければ理解できない自分の感受性の限界値を知った。敏で鈍なのです。全ての形が無為自然だという答えの先を体感する為には何をすべきか、それすらもなんだか追い求めれなくする8月の那覇の暑さがある。

 

明日は明日の風が吹く、高架下にある波の上ビーチで砂浜に横たわって見えない星を目に浮かべて蚊に刺されながらも体に完璧にフィットしたベッドで朝強烈な日差しがくるまで爆睡する。元来の「その日暮らし根性」が見知らぬ土地で究極系になっただけだから、明日は明日の風がふくさ。

 

八百円をなんとか手に入れて、ドミトリーに入り真っ黒に日焼けした巨漢の福島出身の親方にタバコを恵んでもらい話し込めば、歳も違い生きてきた世界が違くとも同じ場所に寝る仲間であり「まあしょうがないさ」を共有できる同士でありがたい、旅人よりも懲役上がりが多いこのドミトリーには鬱屈とした目をして、ここにいる自分が許せないイヤダイヤダという人もいるけれど、これから先、良くも悪くも自分の欲しいものを手に入れる前段階の人たちだから心地よい。

そうそうドミトリーの管理人に一問一答インタヴューをしている人がいて管理人の答えに聞き耳を立てていたら、今年はかなり静かな人たちが集まっているらしく、沈没者は少なく音楽もおっぱじまらないし、楽しい系だったら歩いて10分くらいの他のドミトリーがいいかもですね、ここはみんなそれぞれ色々あるみたいですね…と今年は鬱な雰囲気であるらしい、皆酒もそこそこに明日の労働に備えている。ここはもはや、ドヤ街のドミトリー。

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そういえばお金を手に入れる前にやたらと涼しく那覇バスターミナルの上に新しくできた図書館を見つけた。

キンキンに冷えた水飲み放題、本読み放題、もはやここに寝泊まりできたら最高だと思いながら夏休みの課題を勉強机で黙々とこなす学生たちに囲まれて結局爆睡してしまった。知識の吸収叶わず体力を回復して「今夜はドミトリーに泊まろう」決意し、八百円をかき集めに意気揚々と図書館を後にした。まだ物乞いをする気はなく、皿洗いを2時間する代わりに八百円くださいと居酒屋に入ろうとするも、変なプライドが邪魔して二の足を踏んでしまい最終手段に取っておいたSuicaの残高千円分を駅で声をかけた日本人観光客に、本当は千五百円で売りたいところを千円で売ってドミトリー代を確保、後になって五百円を後悔したけどいいのだ、それより買ってくれた人の驚きと苦笑いの顔が収穫だ。とにかく今夜は宿に泊まれる。

明日からのお金をどうするか…ミュージックバーの仕事は短期だと雇わないらしく即断られたのでとにかく日雇いの仕事を決めて、落ち着いたらまた図書館に行こうとかなんとか…

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いかに自分が東京でわがままを言っていたのかと反省しながら、後は飢えをどうにかすれば!と気持ちを奮い立たせた。

寝る場所と食を確保して、感謝をし、仕事をした後に夢が一つ叶うとしたらどうしますか?

 

「Fun coupon!!!!!」

 

Music : - The Skyliners - Since I Don't Have You

Location : NAHA OKINAWA https://www.library.pref.okinawa.jp/

沖縄で明日を"占い”ながら生きる

究極、極限まで金がなくなっても、自由であるべきという考えのもとに、どうしても自由を手に入れたかったのあります「幸せが先か自由が先か」くらないものです。

 

沖縄一日目、野宿 

ネットで知り合ったPに結局車で街案内されて、訳の分からない所に降ろされた、無駄にまた一人の人間の家族事情を知ってしまった、途中にPやりませんかと言わた時には丁重にお断りし、「この人大丈夫かな」初対面ながらも余計な心配をしたりなんかしながら、g/7千円は高いなあ…と思いながらもweedを手に入れBOSEの持ち運べるスピーカーで雨と一緒に南アフリカのDJが作ったMIXを性懲りも無く聴きながら爆睡野宿で蚊に刺されまくるも結局爆睡。

 

沖縄二日目、1216、残金三千六百円

ドミトリーに荷物をおくやいなやとりあえず街を徘徊し、ドミトリーに戻り昼寝を決め込むわけです。

 

だけどやはり心許ない残金が不安で、日払い求人を調べていると

「未経験OK!月・週・日払いから選べる「エンターテイメント型ライブハウス」の音響・照明&ホールスタッフ!!」

 「うん?」とよくよく調べ進めれば、時給八百五十円で、日払いで、即採用で、ドミトリーから約1kmの立地で、要するに労働してお金もらって音楽を聴けということを言っているし、どうせ短期だから、とりあえず行くしか無いと心に決め、営業時間の20時前後に電話か、直接店に行くかのどっちかだなと思い、寝床をノソノソギーギーと音を音をたてながらリビングに戻り、こち亀を読み、足の爪を剥がし、マンチーを耐えながら、ドミトリーのリビングで、外は沖縄の夏の雨、雷、目の前を通る人、床板の軋む音、またこち亀

明日を占わず、現実の歩を進めていく。

自分の何かが確実に変わっているのがchilの中で穏やかに理解できて、遠くにいるあなたを想うのです。

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とはいえお腹が空いた。究極明日の朝まで食べれない可能性がある。即座に、ドミトリーの管理人に聞いておいた近くの安くて量のある定食屋へと向かう。

結局沖縄ソバが普通の東京でもあるような定食よりも高いからなんとなく「豚生姜焼き定食/六百五十円」を頼み待つこと5分後に大盛りの米と、大ぶりに切ってよく味が染み込み膨らんだ人参と玉ねぎと、一口大の細切れの豚バラ肉がつゆとおろし生姜に使って出てきた、スープはトロリとした熱々の卵スープだ。

 

何かを確信し食べ始めた生姜焼きは途中間がすっぽり消え突如として見る画面には生姜焼きは消えた大皿とご飯とスープの器、そして果てしない満足感。即座に店を出て外の自販機でモンスターを一気に半分くらいを一気飲みで、全てはオールOKになった!

 

あ、やはり明日を占ってはいけない。

 

今この瞬間を唯一の時だと思うほどに今に没頭しなければならない。与えられた短期、中期、長期の課題をその日その日で明快に考えたアバウトながらも繊細な計画で、その瞬間瞬間を味わい尽くしながら遂行していくだけだ。

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「導かれるままに、手を引き手を引かれ最高に決行していくのだ」

 

Music : Ramsey Lewis - Maiden Voyage

 

鯉のぼりは「燃えよドラゴン」

もう少しで梅雨が始まるらしいと言われ始めた頃に、魔都よろしく「道」の街、成都へ行くことに決めた。

季節感も土地勘も分からぬ成都に想いを馳せて、令和時代の幕開けにふさわしいような長ったらしい梅雨をやり過ごし灼熱の夏東京を迎えた俺は仲間や兄弟、家族に別れを伝えて未練を断ち切りいざ成都へ!の段で「その前に沖縄に行っておこう、夏らしい夏を日本で過ごしていない!よし8月いっぱいは沖縄を巡ろう!」という不思議な成都行きを決めた。

旅立ちの前々日。

結婚2年、たまりにたまっていた奥さんが突如激昂し、号泣の波乱が起きた。

男はつらいよと寅さんにお墨付きをもらった我々男性のたまにやってくる現実との対面は久々に心の奥に溜まった膿を掻き出し、新たな境地へと導く。

旅立ちや、別れに凝縮された自身の過去が生きる実感へと結びつける。とにかく前へ進むしかない。

 

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成熟とは程遠い青さと熟れが曖昧に在る、自身の人生の岐路を意識している東京で育まれたいわばサイコパス的な優しさを持ち、死への恐怖を未だ拭い去れぬ30歳の男である。

 

右腕に入った鯉は川を登り龍へと生まれ変われるか。

はたまた濁った池に辿り着き、鯉の小さな頭で龍になり空を駆ける自分を夢見るのか。

 

Enter the Dragon - 龍爭虎鬥

 

自ら望む始めての旅、明日はどっちだ。