雑記トト

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旅行けば琉球の国に酒の香り

気づけば沖縄に来て二十日が経っている

那覇の宵の始まりは早く、沸き立つ熱気が冷めた頃に始まる。訳のわからぬ名目で人々が集まりだした酒場は安く人を酔わせて、新しい出会いを生んだら日付の変わる頃にさっと閉める「せんべろ」にどっぷりと浸かってしまった。

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「なんとかなる」じゃなくて「なんとかしてる」だよね

 

ドミトリーで知り合った福島の同い年の男が言った言葉だ。

生まれ育ちも違い、沖縄に来るまで全く異なる人生を歩んでいてもこの言葉は自分の胸にも閉まってあった言葉だったからフラッシュバックのような、正夢のような、見たことある景色が突然現れたような感覚になって酒が進む進む。

 

沖縄の汗ばみ続ける陽気のせいか、東京にいるときに恐れていた悪酔いがこないことに気がついた。飲みすぎても、飲みが少なくても知らぬ土地での多少の緊張感と、人々の曇った表情を見ずに済むせいでなんにせよ時間が緩やかに過ぎていつも心に太陽を持っていられるんです。

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40人近くが一つの大部屋に寝泊まりすれば、24時間どんな時でも物音がしている。

眠りの浅い時間に周囲の物音で目覚める、だけど自分の理想の睡眠時間よりは1、2時間少ないから疲れは確実に蓄積しているようだ。だが疲れを吹き飛ばす楽しみな酒はこの那覇の地の救いである。

酔いは深く芯まで届き、折り返しては身体の外へと逃げていく。

そろそろ飲みましょうね〜。

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そういえばドミトリーで文化的な生活をどうにか送りたいものの、イスラエル人のバックパッカーからテントをもらった後から、その気が徐々に失せてきてしまった。最悪は初めの頃にやったからテントで寝れるなら最高ではないものの、一泊800円が高く感じてきてしまった。

 

諸先輩方はこんな経緯を辿ったのかと自分が辿っている道に恐怖も感じながらもワクワクしてしまう自分も観測して自信をつけてしまう。

 

その自信でなんとか金を稼げないものかと始めた路上占いは幸先の良い初日からその後今この文章を書く五日目まで一日0人を更新し続けている。客を待つ路上で居眠りをしてしまうほどに道行く人々は新参の占い師に見向きもしない。

 

隣で涼しい顔をしたフラメンコギター奏者の26歳がどんどんお金を集めていく姿を指をくわえて見ていると、彼が「このお金でせんべろ行きましょうよ!」と優しく声をかけてくれるところまで酒飲みは極まった。

 

「酒毒は良薬、あいも変わらず宣っております」

 

Music : What A Wonderful World - Louis Armstrong 

Location : NAHA OKINAWA TENBUSU